骨粗鬆症の真実：「牛乳神話も崩壊している」の続きです。
「牛乳を飲むと骨は強くなる」という「牛乳神話」は完全に嘘という根拠の２つ目を解説します。
②ハーバード・ナーシーズヘルス・スタディー
（Feskanich D et al. American Journal of Public Health, 1997.）
1997年、Feskanich Dらは、米国ハーバード大学医学部で、３４歳～５９歳の女性、７７７６１人を対象とし、１９８０年から１２年間、同一患者について、牛乳の摂取量と骨折の発症数の関係を調査しました。
具体的には、牛乳の摂取量を、
A. 1杯未満／週の群
B. 2杯以上／日の群
の2群に分けて、比較をしました。
結果は、B. 2杯以上／日の群が、
・橈骨遠位端骨折については、骨折リスクが、1.12
・大腿骨近位部骨折については、骨折リスクが、1.08
となりました。
わかりやすく言うと、
・B. 2杯以上／日の群は、A. 1杯未満／週の群より、骨折の頻度が高かった
ということです。
つまり、結果をまとめると、
・牛乳の摂取量が多いと、骨折の危険が高くなる
ということになります。
ここで大切なことは、この有名なハーバード・ナーシーズヘルス・スタディーは、通常の報告と異なり、7700人もの多くの対象者を12年間にわたり調査したという点です。
同一対象をこれだけの多く、さらに10年以上フォローした研究というものはほとんどないため、この報告の信ぴょう性はそれだけ高いということです。
エメラルド整形外科疼痛クリニック
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