血管年齢の測定

エメラルド整形外科疼痛クリニック院長では、2025年4月より、血管年齢の測定を行っています。

動脈の硬さの評価

大動脈を含む、心臓から足首までの動脈硬化度を反映する指標が、CAVI(cardio ankle vascular index)です。
CAVIは、上腕と足首で血圧を同時に測定し、専用プログラムで解析することで計算ができます。
動脈硬化が進行するほどCAVIが高くなることが報告されています。
測定する際の血圧に影響されずに、血管固有の硬さの評価ができます。
ちなみに、CAVIが9.0以上の場合は、動脈硬化の可能性があります。

(Shirai K et al. J Atherosclerosis Thrombosis, 2006.)

血管年齢

CAVIは、年齢と相関するため、老化を反映する指標の1つになります。
クリックに常設している血圧脈波検査装置「VaSera VS-2000」は、血管年齢を解析することが可能です(2025年4月上旬より稼働予定)。

冠動脈疾患や脳卒中を合わせた血管疾患の累積発生率

冠動脈疾患や脳卒中を合わせた血管疾患の累積発生率は、CAVIが9.0未満の場合と比較し、10.0以上では、2.25倍発生しやすくなることが報告されています。

(Kubota Y et al. Artery Research, 2011.)

整形外科クリニックでの活用法

以上のように、CAVIは、動脈の硬さを測定することで、血管年齢を評価することができる手法ですが、エメラルド整形外科疼痛クリニックは、以下のように活用しています。

腰部脊柱管狭窄症と閉塞性動脈硬化症(ASO)の鑑別

整形外科疾患である腰部脊柱管狭窄症と、内科疾患である閉塞性動脈硬化症(ASO)は、共に下肢のしびれ・痛み・脱力が症状であり、場合により鑑別が困難なことがあります。
また、これら2つの疾患が合併していることもあります。
このような場合に、各種整形外科診察・検査に加えて、CAVIによる評価も追加し、総合的に判断します。

骨粗鬆症

骨粗鬆症は生活習慣病であるため、骨が脆くなっているだけではなく、筋肉量が低下(サルコペニアといいます)し、血管年齢も高くなっている可能性があります。
そのため、骨の強さを測定する骨密度検査に加え、ご希望の方には、筋肉量血管年齢を測定し、治療に役立ています。

血管年齢の測定器について

医療機器であるため、健康保険で算定可能

フクダ電子製の血圧脈波検査装置 VS-2000

クリニックに導入した血管年齢の測定器は、フクダ電子社製の血圧脈波検査装置である、VaSera VS-2000です。
血管年齢測定だけでなく、心電図や、末梢動脈疾患の鑑別に使用されるABI(ankle brachial pressure index)も測定可能です。

管理医療機器・特定保守管理医療機器であり、医療機器認証番号は、226ADBZX00226000です。
医療機器であるため、健康保険で算定が可能です。

血管年齢測定結果

血管年齢測定結果は、患者様用と医療機関用の2枚ができます。
結果は、下図のように、
①CAVIの実測値
②「血管の硬さは20代後半に相当します」のような評価
③動脈硬化の疑い・境界・正常のどれに該当するか
④ABIの実測値
⑤動脈の詰まりの疑い・境界域・正常・(石灰化のため)注意のどれに該当するか
が、出力されます。

フクダ電子社製の血圧脈波検査装置であるVaSera VS-2000による血管年齢測定結果1

患者様用

フクダ電子社製の血圧脈波検査装置であるVaSera VS-2000による血管年齢測定結果2

医療機関用

血管年齢の測定をご希望の方

血管年齢の測定をご希望の方は、受付あるいは院長にお伝えください。