腰痛に対する診断・治療アルゴリズム

整形外科専門医による腰痛に対する診断・治療アルゴリズム

エメラルド整形外科疼痛クリニックでは、整形外科専門医が腰痛に対し独自で作成した診断・治療アルゴリズムをもとに、多彩で独自の治療法で積極的に治療を行っています。
なお、レントゲン撮影で骨折があることが判明した場合には、骨折の治療を優先して行います。

下肢の神経症状とは、下肢のしびれ・痛み、筋力低下などの麻痺症状のことを言い、いわゆる坐骨神経痛です。
具体的には、腰椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎変性すべり症、変性側弯などの疾患で発症します。
もし、下肢の神経症状がある(坐骨神経痛)のであれば、クリニックに常備しているオープン型MRI検査を行い、治療③を開始します。

治療①:ノイロトロピン®、筋緊張改善剤、身体に効く漢方薬、運動器リハビリテーション、物理療法
治療②:慢性疼痛薬、心に効く漢方薬、バイオフィードバック治療、脳波ニューロフィードバック治療
治療③:オパルモン®、ノイロトロピン®、運動器リハビリテーション、物理療法
治療④:下肢の神経症状に有効な漢方薬、神経障害性疼痛薬

多彩で独自の治療法

ノイロトロピン🄬

ノイロトロピン🄬は、ほかの医療機構・クリニックではあまり使用されていませんが、
・副作用がかなり少なく、安全(透析の方でも使用可能です)
・多くの痛みに有効
神経障害性疼痛にも有効
という特徴があるため、エメラルド整形外科疼痛クリニックでは、かなりの頻度で使用しています。
神経障害疼痛にも有効(日本ペインクリニック学会の答申では第2選択薬)ですので、下肢の神経症症状に対しても使用しています。
なお、ノイロトロピン🄬の名前は、ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液ですが、これではかなりわかりづらいため、あえて製品名で表示しています。

筋緊張改善剤

筋緊張改善剤は、文字通り、筋肉の緊張を改善する作用のある薬です。
エメラルド整形外科疼痛クリニックでは、
・エペリゾン塩酸塩
を良く使用しています。
大きな副作用はありませんが、眠くなることがあるので、その場合には夜の服用を推奨しています。

身体に効く漢方薬

あまり知られてはいませんが、漢方薬は、実は腰痛に良く効きます。
もちろん、全ての漢方薬が腰痛に効くのではなく、一部の漢方薬が良く効きます。
さらに、患者様の症状・状態により、さらに良く効く漢方薬があります。

運動器リハビリテーション

腰痛に習熟した理学療法士による運動器リハビリテーションは、腰痛にかなり有効です。
エメラルド整形外科疼痛クリニックの運動器リハビリテーションは、担当制(1人の患者様に対し1人の理学療法士が担当となる)、2単位40分であることが特徴です。

物理療法(低周波治療・牽引治療)

・腰痛に対しては低周波治療
・腰椎椎間板ヘルニアによる下肢症状には牽引治療
が有効です。
低周波治療は、ほぼ副作用がないことが特徴です。
ただし、ペースメーカーなど体内に金属が埋入されている方の低周波治療は禁止されています。

慢性疼痛薬

上記のような治療を行っても、なかなか腰痛が改善しないことがあります。
その場合には、
・サインバルタ🄬(デュロキセチン)
・タリージェ®(ミロガバリンベシル酸塩)、リリカ🄬(プレガバリン)
・トラムセット🄬(トラマドール塩酸塩, アセトアミノフェン)
などの西洋の慢性疼痛薬を使用します。

これらの慢性疼痛薬は一様に、めまい・吐き気・ふらつき・眠気という副作用が発生する可能性が高いことです。
そのため、車の運転に関しては、サインバルタ🄬は認められていますが、タリージェ®・リリカ🄬・トラムセット🄬は禁忌になっていますので、ご注意ください。

心に効く漢方薬

後述するように、腰痛には心的な要素が大きく作用していることが報告されています。
そしてここが非常に大切なことですが、
・多くの医療機関では、腰痛に心的な要素が影響することを知りません
・多くの医療機関では、腰痛の心的な要素に対する治療ができません

ということが、現状です。

漢方薬は、「身体」に有効なだけではなく、「心」にも有効です。
東洋医学では、「心」の異常を、「気逆」・「気鬱」という証で表現します。
そして、これらの「証」に対応する漢方薬があります。

それらの漢方薬のなかでも、一部の漢方薬心的な影響が強い腰痛に対して有効です。

オパルモン🄬

腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎変性すべり症、変性側弯などによる下肢の神経症状(坐骨神経痛)に対しては、
・オパルモン🄬(リマプロスト アルファデクス)
が有効です。
そのため、下肢の神経症状(坐骨神経痛)がある場合には、基本的にオパルモン🄬を使用します。

下肢の神経症状(坐骨神経痛)に有効な漢方薬

実は、ほとんど知られていませんが、下肢の神経症状(坐骨神経痛)に著効する漢方薬があります。
そのためエメラルド整形外科疼痛クリニックでは、下肢の神経症状に対しては、かなり積極的にその漢方薬を使用しています。

神経障害性疼痛薬

下肢の神経症状(坐骨神経痛)とは、神経が何らかの原因で圧迫されたために、神経由来の痛みが出ることです。
そしてここが非常に重要なことですが、ロキソプロフェンナトリウムなどのNSAIDsは、通常、神経障害性疼痛には無効です(日本及び世界のペインクリニック学会より)。
神経障害性疼痛に有効な薬剤は、
・タリージェ®(ミロガバリンベシル酸塩)、リリカ🄬(プレガバリン)
・サインバルタ🄬(デュロキセチン)
・ノイロトロピン®(ワクシニアウイルス接種家兎炎症皮膚抽出液)
・トラムセット🄬(トラマドール塩酸塩, アセトアミノフェン)
などです。

これらの慢性疼痛薬は一様に、めまい・吐き気・ふらつき・眠気という副作用が発生する可能性が高いことです。
そのため、車の運転に関しては、サインバルタ🄬は認められていますが、タリージェ®・リリカ🄬・トラムセット🄬は禁忌になっていますので、ご注意ください。

バイオフィードバック治療

ストレステスト・リラックステスト

腰痛には心的な要素が大きく影響します。
特に、種々の治療を行ったにもかかわらず、腰痛がなかなか良くならない場合には、より心的な要素が強いと判断されます。
エメラルド整形外科疼痛クリニックでは、そのような場合には、
・PSP テスト(ストレステスト)
・PRPテスト(リラックステスト)
という2種類のテストで自律神経の評価を行います。

これら2つのテストの結果、自律神経に大きな乱れがないと判断された場合には、
筋電図バイオフィードバックリハビリテーション治療
を行います。

自律神経が乱れていると判断された場合には、
・心拍変動バイオフィードバック
による治療を行います。

筋電図バイオフィードバックリハビリテーション

種々の治療を行ったにもかかわらず、腰痛がなかなか良くならない場合で、
・不顕性筋緊張(dysponesis)の関与が強い
・自律神経の大きな乱れがない

と考えらえる場合には、筋電図バイオフィードバックリハビリテーションによる治療を行います。

心拍変動バイオフィードバックによる治療

種々の治療を行ったにもかかわらず、腰痛がなかなか良くならない場合で、
・自立神経が乱れている
と考えられる場合には、自律神経の治療が可能な心拍変動バイオフィードバックによる治療を行います。

脳波ニューロフィードバック治療

最新の痛みの研究では、脳が大きな影響を及ぼしていることが判明しています。
しかし、これまで、脳にアプローチをすることの可能な治療法はありませんでした。
脳波ニューロフィードバックは、近年、目覚ましく技術が革新し、うつ病、パニック障害、注意欠如・多動症(ADHD)などに対して有効であることが証明されています。
また、痛みの治療法の1つとしても認知され始めています。
しかし、現状では日本で痛みに対して脳波ニューロフィードバック治療を行っている医療機関はエメラルド整形外科疼痛クリニックのみのようです。


なぜ、腰痛が良くならない3つの理由

多くの患者様は、「腰痛は治りづらい」と考えいるのではないでしょうか。
実際、腰痛を治療している医療関係者も、同様に「腰痛は治りづらい」と考えています。
なぜでしょうか?

実は理由が3つあります。
1. 腰痛には多種多様な原因がありますが、多くの医療機関では、多種多様な原因に対応する多種多様な治療法を持っていない
2. 腰痛には、心的な要素(これを心理社会的要因と言います)が大きく関係する。
3. 腰痛には、不顕性筋緊張(dysponesis)という状態が関係しますが、多くの医療機関では治療できない

からです。

1. 多種多様な治療法

前述のように、多種多様な原因の腰痛に対しては、多種多様な治療法が必要になります。
しかし、多くの医療機関では、腰痛に対し、
・ロキソプロフェンなどの痛み止め
・運動器リハビリテーション
・物理療法
という標準的な治療しか行いません。

もちろん、これらの標準的な治療で良くなる腰痛もありますが、これらが有効でない腰痛もたくさん存在することが現実で、その場合には腰痛は改善しないことになります。

この対応策としては、腰痛に対し多種多様な治療法を行うということに尽きますが、現実的にそのような多種多様な治療法を施行可能な医療機関はほとんどありません。

エメラルド整形外科疼痛クリニックは、前述の多彩な独自の治療法の全てを行っています。

2. 心的な要素:心理社会的要因

腰痛には、さまざまな原因があります。
しかし、腰痛のうち、医師の診察および画像検査(X線やMRIなど)で腰痛の原因が特定できるものを、特異的腰痛といいますが、わずか15%です。
反対に、厳密な原因が特定できない腰痛を、非特異的腰痛といいますが、なんと85%を占めています。
(Deyo RA et al. JAMA, 1992.)
分かりやすく言うと、整形外科などの医療機関を受診された腰痛の患者様の85%の痛みの原因は、現在の医療技術ではわからないということです。

腰痛と心的な要素の学術報告

腰痛患者565名を対象とした研究では、
・不安障害が、20.0%
・身体表現性障害が、17.9%
・気分障害が、 13.4%
を併発していたことが報告されています。
(Reme SE et al. Eur J Pain. 2011.)

これは、腰痛には心的な要素が大きく関わっていることを示しており、腰痛の治療に心理的アプローチが重要であることを示しています。

腰痛診療ガイドライン:腰痛に心的な要素(心理社会的要因)は関係する

『腰痛診療ガイドライン2012』においても、腰痛に心的な要素(心理社会的要因)が影響することが記載されています。—
・腰痛に精神的要因、特にうつ状態が関与している⇒Grade B
—・職場における心理社会的因子は、腰痛の発症とその予後に影響を与える⇒Grade B
—・心理社会的因子は腰痛遷延の要因となる⇒Grade B
—・認知行動療法は、亜急性または慢性腰痛に有効⇒Grade A
と記載されています。
(『腰痛診療ガイドライン2012』、南江堂、2012)

心的な要素(心理社会的要因)が関係する腰痛に対する治療

特異的腰痛には、薬剤、低周波・牽引、リハビリテーションなどの標準的な治療が有効です。
しかし、腰痛の85%非特異的腰痛(Deyo RA et al. JAMA, 1992.)であり、心理状態が関わるため、標準的な治療な治療が効きづらいということになります。

心的な要素(心理社会的要因)の関係が強い腰痛には、
・標準的な治療は有効でない可能性が低い
・心に効く漢方薬は有効である可能性がある
・自律神経を改善する心拍変動バイオフィードバックは有効である可能性がある
・うつ病などに有効性が確認されている脳波ニューロフィードバックは有効である可能性がある
といえます。

そのため、エメラルド整形外科疼痛クリニックでは、なかなか良くならない痛みに対し、上記の治療法を行っています。

3. 不顕性筋緊張 (dysponesis)

腰痛には、不顕性筋緊張 (dysponesis)という状態が関係します。
不顕性筋緊張 (dysponesis)は、大学病院を含めた一般の整形外科医には、ほぼ認知されていないため、必然的に治療を含めた対応を行うことができません。

エメラルド整形外科疼痛クリニックでは、不顕性筋緊張 (dysponesis)に対し、
・筋電図バイオフィードバックリハビリテーション
で治療を行っています。


エメラルド整形外科疼痛クリニック

札幌市北区麻生に開院し、痛みに対して積極的に治療を施行(電話:011-738-0011)
・治療方針:「両極の治療」
・治療方針の解説:全国初の試みである『モデル症例報告』を通じて、わかりやすく詳細に解説
・特徴:多彩な独自の治療法漢方薬バイオフィードバックなど)
・リハビリテーション:理学療法士は担当制で、2単位40分で実施
骨粗鬆症『骨粗鬆症打開プロジェクト』を展開するなど、積極的に治療
・院長の書籍:『骨粗鬆症治療の真実と7つの叡智®~超健康と長寿の秘訣~』

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