整形外科専門医による「腰痛」におすすめの3つの漢方薬による治療

腰痛は最も頻度の高い疾患

腰痛でお困りの方はかなり多いです。
厚生労働省による「平成28年 国民生活基礎調査の概況」でも、最も頻度の高い疾患は、男性で1位女性で2位が腰痛です。
しかし、「なかなか病院に通う時間がとれない」、「病院で治療をしたけれど、あまりよくならなかった」という方が多いのではないでしょうか?

(出典:厚生労働省「平成28年 国民生活基礎調査の概況」)

腰痛におすすめの3つの漢方薬

実は、腰痛は漢方薬が良く効きます。
具体的には、治打撲一方八味丸二朮湯が良く効く漢方薬です。
実際、エメラルド整形外科疼痛クリニックでは腰痛に対して、治打撲一方、八味丸、二朮湯を頻繁に処方し、多くの腰痛の患者様の症状が改善しています。

ここでとても大切なことがあります。
東洋医学では、患者さんの状態を「証」で評価し、「証」に適した漢方薬を使用するため、「証」の判断がとても重要だということです。
しかし、「証」の判断は正直、なかなか難しいです。

でも、心配しないでください。
このブログでは、漢方薬にあまり詳しくない方でもわかりやすいように「腰痛」に効く漢方薬をご紹介していきます。

治打撲一方は万能薬

腰痛に最もおすすめする漢方薬は、治打撲一方です。
治打撲一方は、名前のとおり、「打撲を治療するための方剤」ですから、整形外科疾患に良く効きます。
漢方薬は、「虚証」や「実証」などの「証」を考えて使用することが基本原則ですが、治打撲一方は、「かなりの虚証」でなければ使うことができますので、ほとんどの方に使用することができる万能薬です。

ただ、1つだけ注意点があります。
それは、治打撲一方は下痢をすることがあるということです。
治打撲一方には大黄という生薬が入っており、この大黄のために下痢をすることがあります。
そのため、治打撲一歩を内服して下痢をした場合には、飲む回数を1日3回から2回や1回に減らしたり、別の漢方薬に変更することを検討します。

ある程度の年齢の方には、八味丸

腰痛に2番目におすすめする漢方薬は、八味丸(八味地黄丸)です。

ここで1つめの重要なポイントがあります。
先ほどの治打撲一方は「ほぼ万能」でしたが、八味丸は「ある程度の年齢の方」という条件が付きます。
具体的には50代以上の方です。

八味丸は「腎虚」という証に有効な漢方薬です。
つまり、八味丸は「腎虚」の腰痛には効くけれど、それ以外の腰痛にはあまりきかないということです。
「腎虚」は東洋医学独自の概念で、「腎」は生命力を意味し、「虚」は不足しているという意味ですので、「腎虚」は、「生命力が不足している状態」ということになります。
ですから、50代以上になって、ちょっと体力が落ちているな、という方の腰痛であれば八味丸が効く可能性があるということなります。

「ウチダの八味丸M」の一択

ここで2つめのポイントがあります。
それは、エメラルド整形外科疼痛クリニックがおすすめする八味丸は、クラシエ社が提供している「ウチダの八味丸M」のみということです。

一般的に医療機関から処方される保険適応の漢方薬はエキス剤です。
実は、エキス剤にすると生薬の揮発性の有効成分はなくなってしまうと言われています。
「~丸」という名前の漢方薬は、揮発性の有効成分も重要であったため、「煎じ薬」にせずに、あえて丸薬としたと考えられます。
ですから「丸」がついている八味丸あるいは八味地黄丸は、丸薬であるときに最も有効となります。「ウチダの八味丸M」は保険適応の八味地黄丸のなかでは唯一の丸薬です。

院長の経験でも、「ウチダの八味丸M」は効果がほかのエキス剤の八味地黄丸より明らかに優れているため、エメラルド整形外科疼痛クリニックで使用する八味地黄丸は、「ウチダの八味丸M」の一択です。

意外に効く二朮湯

二朮湯は、実は五十肩(四十肩という方もいますが、正式病名は肩関節周囲炎です)の特効薬です。
二朮湯は、「水毒」に効く漢方薬なのですが、意外に腰痛にも効きます。
エメラルド整形外科疼痛クリニックでも、治打撲一方や八味丸が効かなかった患者さんによく使用しています。

まとめ

整形外科専門医による「腰痛」におすすめの3つ漢方薬による治療

  1. 治打撲一方
  2. 八味丸(ただしウチダの八味丸M)
  3. 二朮湯

エメラルド整形外科疼痛クリニック

札幌市北区麻生に位置し、多彩な独自の治療法で痛みを治療する整形外科クリニック
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