【漢方薬】第20話:⑩漢方薬にエビデンスはあるか?

「エビデンス」という言葉を聞いたことがありますか?

エビデンスとは西洋医学で用いられる言葉です。
このエビデンスが高いほど信頼できるということになります。

詳しくいうと、例えば、薬を使う群と使わない群を統計学的に偏りがないように分け、実験者の意図が入らないようにこの2つの群を患者にも医者にも内緒にしておき、結果は別の人間が評価し、さらに別な人間が統計解析をする、ということにするとエビデンスが高くなっていきます。

さらにはこれらを複数の施設間で実施したり、エビデンスが高い実験報告をまとめあげたりすると、最もエビデンスが高くなります。


ここで漢方薬に対する批判がでてきます。
それは、「漢方薬はエビデンスがない」という話です。

本当にそうでしょうか?
結論から言うと、この批判は正しくありません。

●理由①:実際に、最近は西洋医学の手法を用いた漢方薬の有効性についての論文がどんどん発表されている
具体的には、整形外科領域であれば、腰部脊柱間狭窄症に対する八味地黄丸や牛車腎気丸、膝関節炎に対する防已黄耆湯の効果などです。
このほか、内科領域であれば、六君子湯が強力な摂食促進作用を持つグレリンの分泌を促進する作用があることなどが報告されています。
また、特に最近は抑肝散がトピックになっています。

ですから、「漢方薬はエビデンスがない」ということ自体、ナンセンスです。

理由②:数えきれないくらい多くの症例数がある
エビデンスでは症例数が大事になってきます。
つまり100例の報告より10000例の報告の方が信頼されます。
当然と言えば当然です。

それでは、漢方薬の症例数はどうでしょうか?
例えばインフルエンザに効く麻黄湯では?

答えは、「数えきれないくらい多く」です。
軽く「億」単位でしょう。

もちろん、残念ながら記録として残っているものは、そのうちのごくごく一部です。
では、記載が少ないから麻黄湯は効かないのでしょうか?

麻黄湯は『傷寒論』という漢方薬の最も重要な本に記載されています。
この『傷寒論』は、後漢末期から三国時代に書かれた本です。
つまり麻黄湯は約2000年前から使われているということです。

もし、麻黄湯が効かないとしたら、どうなっているでしょうか?
もちろん、使用されなくなり、忘れ去られていることでしょう。

「麻黄湯は効果がある」からこそ2000年という長期間にわたり存続し、使用され続けていると考える方が自然です。
この2000年という長い年月こそが、本当のエビデンスであると僕は思います。

ちなみに、西洋医学の中で2000年以上の歴史のある薬は1つもありません。
あるとすれば、薬草くらいでしょうが、これは西洋医学には入りません。


エメラルド整形外科疼痛クリニック

札幌市北区で麻生駅に近接し、痛みに対して積極的に治療を施行(電話:011-738-0011)
・治療方針:「両極の治療」
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