【漢方薬】第30話:「証」の判定:⑦「気」、⑧「血」、⑨「水」

東洋医学独自の「証」の判定についての続きです。

●「証」の判定:⑦「気」
重要な概念、「気・血・水」のうち、「気」についてです。
「気」は一言でいうと、「生命活動を営む根源的エネルギー、いわゆる “元気 ”の“気”のことです。

「気虚」は、全身の倦怠感、意欲低下、精神的・肉体的疲れなど、生命エネルギーが減少した状態をいいます。

「気鬱」は、抑うつ傾向など、気がうっ滞・停滞した状態のことです。
典型的には、のどや気管のあたりが詰まったような感じです。
西洋医学の「うつ」に近い状態です。

「気逆」は、「気」が通常の循環ではなく、逆流した状態のことです。
冷えのぼせといって、上半身に熱感、下半身に冷感がある状態などが特徴です。

「気虚」は病気などが慢性化した場合になることが多く、ある程度長引いている病ではかなり存在します。

「気逆」は女性によく見られる証です。
特に更年期の女性には多く、更年期の女性であれば「気逆」に効く漢方薬である加味逍遥散(かみしょうようさん)が有効である可能性が高いです。

●「証」の判定:⑧「血」
重要な概念、「気・血・水」のうち、「血」についてです。
「血」は「生命を物質的に支える赤色の液体」のことで、西洋医学の“血” とほぼ同じ意味です。

「血虚」は、血が不足した病態のことです。
不眠、動悸、血色不良、やせ、めまい、目のかすみ、肌荒れ、抜け毛、手足のしびれなどが症状です。

「瘀血(おけつ)」は、漢方独自の概念で、「血の流れが滞った状態」を意味します。
滞る場所は、四肢末端のこともありますし、内臓のこともあります。

東洋医学では、「瘀血」は痛みを生じると考えます特に、刺すような痛みを発生させます。
打撲などの結果の内出血、血管がつまる梗塞や血栓が「瘀血」となります。

このほか、「生理痛」は東洋医学では、骨盤内で血が滞ったと考えるため、「瘀血」となります。
また、便秘も同じく骨盤内での血の滞りですので、「瘀血」であることが多いです。
そのため、「瘀血」を改善させる漢方薬である「駆瘀血剤」と呼ばれる漢方薬群が生理痛や便秘に良く効きます。

●「証」の判定:⑨「水」
重要な概念、「気・血・水」のうち、「水」についてです。
「水」は、「生命を物質的に支える無色の液体」のことです。
分かりやすく言うと、組織液、リンパ液など“血 ”以外の水分すべてのことです。

「水毒(あるいは水滞)」は、「水の停滞・偏在があり、多くなってしまっている状態」のことです。
水様性の鼻汁、喀痰、下痢、浮腫、胸水・腹水、尿量異常(減少、過多)、耳鳴り、嘔吐などが症状です。
舌診で舌の脇を見て、歯圧痕(歯型が舌に残っている)があれば、有力な「水毒」のサインです。


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