【漢方薬】第34話:痛み:②東洋医学の痛み:「不通則痛、通則不痛」、「瘀血」

「痛み」の話の続きです。
それでは、その西洋医学には無い東洋医学の“2つの痛み”についてお伝えします。

1 「不通則痛、通則不痛」
ちょっと難しい言葉ですね。
「通じざれば則ち痛み、通ずれば則ち痛まず」と読みます。
これは何かというと、「気」・「血」・「水」などが正常に流れない場合に「痛み」が生じるということです。

それでは、どう対応すればいいかというと、例えば「気虚」があって「気」が足りないために正常に流れないのであれば、補中益気湯などの「気虚」に効く漢方薬を使い、「気虚を改善」することにより「痛み」が改善します。
また、例えば「気逆」のように「気」」の流れが逆流している場合、加味逍遥散などの「気逆」に効く漢方薬を使い、流れを正常化させることで「痛み」を改善します。

院長の経験では、「痛み」に最も効く薬の1つが補中益気湯です。
つまり「気虚」が「痛み」に関係することが多い、ということです。

2 「瘀血」
「瘀血」は「痛み」を発生させます。
ちなみに「瘀血」の「痛み」は“刺すような痛み”です。
「瘀血」による「痛み」には駆瘀血剤で対応します。
具体的には、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)、疎経活血湯(そけいかっけつとう)、治打撲一方(ぢだぼくいっぽう)、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)、通導散(つうどうさん)の順で強くなるため、「虚証」・「実証」を考えて使用します。


エメラルド整形外科疼痛クリニック

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