「証」と漢方薬についてご理解していただいた後は、漢方薬の剤型と、漢方薬が効いてくる時期についてです。
○剤型
漢方薬には2種類の剤型があります。
①「煎じ薬」
「煎じ薬」は、本来の漢方薬の飲み方です。
生薬を煮て、お茶のようにして飲む方法です。
もっとも効果があるのは確かですが、かなり不便です。
外出中も煎じて飲むことは、かなり難しいと思います。
②「エキス剤」
「エキス剤」は、煎じ薬を作った後、乾燥させて粉末状にしたものです。
簡易な反面、効果は落ちます。
病院で通常処方されるのは、このエキス剤の方ですので、エキス剤の飲み方をお伝えします。
エキス剤は、通常、お湯か水に「溶かして」飲みます。
水よりはお湯の方が効果があります。
通常の西洋薬のように漢方薬を溶かさない状態で飲むのはお勧めしません。
溶けづらいため、胃が痛くなったり、効果が低下するからです。
内服する時期は、原則は「食間」です。
ですが、食後でもやや効果が落ちる程度なので、食後でもいいと思います。
○漢方薬が効いてくる時期
漢方薬はいつ頃に効いてくるのでしょうか?
病院でもよく聞かれる質問です。
「漢方薬は効果が出るのが遅い」
「漢方薬は体質を変えるものだから、時間がかかる」
「そもそも漢方薬とは時間がかかるもの」
こういった話をよく耳にします。
結論からいうと、、、
「漢方薬は、場合によっては1包目から効いてきます」
が正確な返答です。
確かに体質を「中庸」に戻す漢方薬はある程度の時間を要します。
ですが、例えば「気虚」の改善などであれば1包から効果が出ることも頻回に経験します。
また、便秘や生理痛などの対する駆瘀血剤も1包から効くことが多いです。
要は、漢方薬は“急性の病態に対し、急性に対応するときにはすぐに効き、慢性の病態に対して体質を変えるときにはゆっくり効く”、ということです。
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