「漢方薬は、①新型コロナウイルスのかかり始めに、有効」についての続きです。
麻黄湯と麻黄附子細辛湯は、確かに「風邪」に有効です。
ここでその前に、漢方薬について、とても大事なことがあります。
それは、漢方薬には野球でいう「ストライクゾーン」があるということです。
ストライクゾーンは、見逃してしまえばストライクを取られ、3つのストライクで1アウトとなりますが、反面、玉を打ちやすいゾーンともいえます。
ストライクゾーン以外は、ボールゾーンとなりますが、このゾーンは球を打ちづらいため、普通は打とうとしません。
同じように漢方薬にも、ストライクゾーン、つまり「漢方薬が効きやすい状態・状況」があります。
これを東洋医学では「証」といいます。
これからたくさんの「証」をご紹介していきますが、ここでは、「表証」・「裏証」、「実証」・「虚証」という2つのストライクゾーンについてご紹介し、その後、麻黄湯と麻黄附子細辛湯との関係性をご説明していきます。
①「表証」・「裏証」
「表証」とは一言でいうと、「病気のかかり始め」の状態です。
「病気の初期」の状態ということです。
反対に、「裏証」とは一言でいうと、「病気が治らずに、続いている」状態です。
「病気の慢性期」の状態ということです。
西洋医学では、「病気の初期」と「病気の慢性期」はあまり区別して治療をしません。
「かかり始めの風邪」も「続いている風邪」も、通常は同じ薬で治療しようとします。
(もちろん、重篤化した風邪に対しては、違う薬を追加します)
それに対し、東洋医学は、「病気の初期」と「病気の慢性期」、つまり「表証」・「裏証」を明確に区別して治療をします。
具体的には、使用する漢方薬が全く異なります。
②「実証」・「虚証」
「実証」とは一言でいうと、「病気の症状が強い」あるいは「患者の体力がある」状態です。
インフルエンザにかかって高熱が出ている状態は、「実証」になります。
反対に、「虚証」とは一言でいうと、「病気の症状が弱い」あるいは「患者の体力がない」状態です。
軽い風邪にかかって微熱が出ている状態は、「虚証」になります。
西洋医学では、症状の「強弱」ではなく、「疾患」によって区別をして治療をします。
具体的には、インフルエンザならタミフル®やリレンザ®で治療を行います。
軽い風邪であれば、総合感冒薬を主に使います。
東洋医学は、「疾患」に関係なく、「病気の症状が強い」状態と「病気の症状が弱い」、つまり「実証」・「虚証」を明確に区別して治療をします。
やはり、使用する漢方薬が全く異なります。
エメラルド整形外科疼痛クリニック
札幌市北区麻生に開院し、痛みに対して積極的に治療を施行(電話:011-738-0011)
・治療方針:「両極の治療」
・治療方針の解説:全国初の試みである『モデル症例報告』を通じて、わかりやすく詳細に解説
・特徴:多彩な独自の治療法(漢方薬、バイオフィードバックなど)
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