【骨粗鬆症】第18話:骨粗鬆症のガイドライン:お勧めの薬は3種類

「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版」では、10種類、23の薬剤が紹介されていますが、多くの方は、
・「こんなにたくさん薬があるのでは、どの薬がいいのか迷ってしまう」
と思われることでしょう。

実は、ガイドラインではエビデンスに基づいて、
・骨密度上昇
・骨折発生抑制
の有効性も判定されています。

そして、骨密度上昇効果については、
A:上昇効果がある
B:上昇するとの報告がある
C:上昇するとの報告はない
の3段階に判定しており、「A」が最も優れています。

同様に骨折発生抑制効果についても、
A:抑制する
B:抑制するとの報告がある
C:抑制するとの報告はない
の3段階に判定しており、同様に「A」が最も優れています。

骨密度上昇効果、骨折発生抑制効果がわかると、実際にどの薬が望ましいかがわかります。
そうです、
・オール「A」
が当然良いです。

その薬に、何か「珍しい良い特徴」がない限り、骨密度上昇効果も骨折発生抑制効果も、「A」が最も良いことは間違いありません。
例えば骨密度上昇効果の場合、上昇効果がある(「A」)薬が分かっているのに、あえて上昇するとの報告はない(「C」)薬を選ぶ必要は通常はありません。

同様に、骨折発生抑制効果の場合も、抑制するとの報告はない(「C」)薬より、抑制する(「A」)薬の方が当然優れています。

そうであれば、骨密度上昇効果も骨折発生抑制効果についても、「A」評価の薬が当然、望ましく、オール「A」であれば最適です。

実際にオール「A」の薬剤は、
・女性ホルモン薬の結合型エストロゲン
・ビスホスホネート薬のアレンドロン酸とリセドロン酸
・抗RANKL抗体薬のデノスマブだけです。

ただし結合型エストロゲンは骨粗鬆症に対しては保険適応外なので使用することはできないため、実際にはオール「A」の薬は3種類のみとなります。

ちなみに、ガイドラインは近々、刷新される可能性があります。
新しいガイドラインが作成された場合には、
・ヒト化抗スクレロスチンモノクローナル抗体製剤であるロモソズマブ
という新薬は骨密度上昇効果、骨折発生抑制効果ともにかなり優れているため、最高評価となることは間違いないと思います。


エメラルド整形外科疼痛クリニック

札幌市北区麻生に開院し、痛みに対して積極的に治療を施行(電話:011-738-0011)
・治療方針:「両極の治療」
・治療方針の解説:全国初の試みである『モデル症例報告』を通じて、わかりやすく詳細に解説
・特徴:多彩な独自の治療法漢方薬バイオフィードバックなど)
・リハビリテーション:理学療法士は担当制で、2単位40分で実施
骨粗鬆症『骨粗鬆症打開プロジェクト』を展開するなど、積極的に治療
・院長の書籍:『骨粗鬆症治療の真実と7つの叡智®~超健康と長寿の秘訣~』

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