『関節外科 2025年3月号 整形外科外来診療における漢方薬』
『関節外科』は1981年に創刊された伝統ある整形外科の学術雑誌であり、選出された著名な整形外科医が特集記事を執筆する形式を採用しています。最新号の2025年3月号では「漢方薬」が特集され、現在、精力的に活動している高名な整形外科医が各々の得意領域について執筆を担当しています。
史上初の画期的な試みであるエメラルド式革新的漢方薬選択法Ver.2
これまでの漢方薬についての全ての書籍・学術報告は、疾患に対して有効な可能性がある漢方薬について記載するだけであり、実際に有効性が高い漢方薬の特定や、さらに一歩踏み込んで、それら有効性の高い漢方薬の優先順位までをも統計学的に解析した書籍・報告は全くありません。
益子竜弥院長は、医学領域ではなくマーケティング領域のビジネス統計学手法を応用することにより、へバーデン結節、五十肩、肩こり、腰痛、変形性膝関節症という整形外科頻出疾患に対する漢方薬の有効性を評価し、さらに優先順位を統計学的に解析する画期的なシステムの開発に歴史上初めて成功し、エメラルド式革新的漢方薬選択法Ver.2として『関節外科 2025年3月号 整形外科外来診療における漢方薬』において一般公開しました。
漢方薬は、先人達の叡智の結晶であり、新型コロナウイルスにも有効
漢方薬は名前にあるよう中国(漢)発祥ですが、長い年月と多くの先人達の絶え間ない努力と試行錯誤により洗練され、現在の医療体系となっており、まさしく先人達の叡智の結晶です。傷寒論は漢方薬の原著と位置付けされている書籍で、中国全土で伝染病が蔓延したことを契機に編集されたため、伝染性疾患に対する漢方薬による治療法が主な記載内容となっています(※1) 。漢方薬は新型コロナウイルス感染に対しても有効(※1)であり、価値があらためて見直されていますが、漢方薬の発祥の経緯からは至極当然のことと言えます。
最も有訴者率が高い疾患である腰痛と肩こり
有訴者率(病気や怪我などで自覚症状のある人の割合)の第1位は男女とも腰痛で、第2位は男女とも肩こり (※2)であり、国民病の代表です。腰痛や肩こりに対しては、西洋薬の内服・注射、リハビリテーション、低周波療法などの一般的な西洋医学的治療に行われていますが、実は腰痛の約85%は非特異的腰痛と言って、痛みの原因がわからず(※9)、また、家族や職場などの心理的や社会的な要素が大きく影響(※10, 11)し、肩こりもストレスの影響を強く受ける(※12, 13)ため、前述の一般的な西洋医学的治療をしてもなかなか良くならないことが多々あります。
漢方薬は、体だけではなく心にも効くため腰痛や肩こりなどに大いに有効(※3, 4)なのですが、漢方薬は難解であり習得も難しいため、現実的にはほとんど使用されていません。
漢方薬は心と体の両方に効きますが、腰痛や肩こりに使用されていない理由
漢方薬は心身一如といって、心と体は1つと考えて治療を行うため、心と体の両方に効きます。そのため、心と体が関係する腰痛や肩こりのほか、多くの疾患に対して有効ですが、実際にはほとんど使用されていません (※4) 。その主な理由は、 東洋医学の概念がわかりづらいこと、病態の判断や漢方薬の選択が難しいこと、学ぶこと自体が困難なこと(※4)が考えられます 。
漢方薬が普及するためには、抜本的な改革が必要
益子竜弥院長は、このような現状から、漢方薬が実際の医療現場で広く使用され、多くの方がその恩恵を受けるためには、抜本的な改革が必要と考え、従来までの古典的な漢方医学概念による漢方薬の選択法とは一線を画した新規の漢方薬の運用法が普及することが必要であると考えました。そして2015年には、患者自身がアンケートに答えていくなかで有効性の高い漢方薬を選択することを可能としたシステムである直漢法® (※5) 、2022年には、西洋医学に基づき、部位・原因・特定の疾患という情報を元にすることで有効な漢方薬がわかるシステムであるエメラルド式革新的漢方薬選択法Ver.1(※4)を開発し、共に一般公開しました。
しかしながら、直漢法®には、施行が難しい、時間を要する、肩関節疾患にはあまり有効ではない(※6)などの課題があり、エメラルド式革新的漢方薬選択法Ver.1は、開発者の「主観的観点」から作成されていること、漢方薬の有効性が評価されてはいるが優先順位は決定できない(※7)という課題がありました。
ビジネス統計学手法を応用することで史上初めての画期的なシステムが成功
直漢法®とエメラルド式革新的漢方薬選択法Ver.1の課題を解決するために、診療機会の多い整形外科頻出疾患に対し、漢方初学者の医師でも可能な客観的かつ効率的に有効性の高い漢方薬を選択できる手法をコンセプトとして開発されたシステムが、エメラルド式革新的漢方薬選択法Ver.2です。
各々の漢方薬には因果関係があるため、従来の医学研究で使用されている統計手法では有効性の高い漢方薬の優先順位を客観的に解析することは不可能でした。
そのため、多くの統計手法を検索・精査し、その結果、医療領域ではなくマーケティング領域という異なる領域で使用されている数量化理論II類、クラスター分析、対応分析というビジネス統計学手法を応用することで、漢方薬史上初の画期的なシステムである有効性の高い漢方の優先順位の決定が成功しました。
エメラルド式革新的漢方薬選択法Ver.2の詳細
エメラルド式革新的漢方薬選択法Ver.2の詳細についてご興味がある方は、『関節外科 2025年3月号 整形外科外来診療における漢方薬』をご覧ください。
7つの叡智®~超健康と長寿の秘訣~
益子竜弥院長は、古来より脈々と受け継がれている知識体系から最新の情報までを、洋の東西を問わず、また学問の垣根を超えて、膨大に入手し、精査を行った結果、信頼性の極めて高い情報のみを選定し、『7つの叡智®~超健康と長寿の秘訣~』とした体系化しています。
7つの叡智®は7つの大項目に分類されており、疫学、東洋医学、西洋医学、ナチュラルハイジーン、薬膳、栄養学、遺伝子学、脳科学、量子論(量子力学)などに基づいています。
直漢法® (※5) 、エメラルド式革新的漢方薬選択法Ver.1(※4)、エメラルド式革新的漢方薬選択法Ver.2 (※7)は、「3. 東洋医学と西洋医学」の叡智をもとに開発されました。
第2ホームページ:『7つの叡智®~超健康と長寿の秘訣~』
エメラルド整形外科疼痛クリニックの2つ目のホームページでは、『7つの叡智®』とアトピーと最上のスムージーであるエメラルドオーシャン®に特化した内容を公開しています。
具体的には、
- 『7つの叡智®』1.世界の長寿地域
- 『7つの叡智®』2.チャイナ・プロジェクト
- 『7つの叡智®』3.東洋医学と西洋医学
- 『7つの叡智®』4.東西栄養学の粋
- 『7つの叡智®』5.最上の薬
- 『7つの叡智®』6.最新の遺伝子研究
- 『7つの叡智®』7.脳科学と量子論
- 『アトピーは皮膚の下痢』
- 最上のスムージー:『エメラルドオーシャン®』
について詳細に解説しています。
第3ホームページ:直漢法®~自分で観て治す方法~
エメラルド整形外科疼痛クリニックの3つ目のホームページでは、漢方薬に特化した内容を公開しています。具体的には、
について詳細に解説しています。
参照ホームページ
エメラルド整形外科疼痛クリニック:https://www.emerald-orthopedic-pain-clinic.com/
直漢法® : https://www.emerald-orthopedic-pain-clinic.com/oriental-medicine/chokukanhou/
エメラルド式革新的漢方薬選択法Ver.1:https://www.emerald-orthopedic-pain-clinic.com/oriental-medicine/innovative/
エメラルド式革新的漢方薬選択法Ver.2 :https://www.emerald-orthopedic-pain-clinic.com/oriental-medicine/ver2/
参考資料
※1:井齋 偉矢. 『西洋医学の名医が教える新型コロナと速効! 漢方』. 青春出版社, 2021.
※2:厚生労働省. 「令和4年 国民生活基礎調査の概要」
※3:益子竜弥.漢方薬による難治性疼痛治療. 北海道整形災害外科学会雑誌, 52巻1号別冊, 2010.
※4:益子竜弥. 漢方初心者でも漢方薬が出せる判別法-直漢法とエメラルド式革新的漢方薬選択法, 整形・災害外科, 65, 2022.
※5:益子竜弥ほか. 直漢法®の有用性~難治性疼痛における検討~. 北海道整形災害外科学会雑誌, 57, 2015.
※6:益子竜弥. 難治性疼痛に対する直漢法®のさらなる有用性の検討, 痛みと漢方, 26, 2016.
※7:益子竜弥. 古典的漢方医学概念に依らない漢方薬の運用2:エメラルド式革新的漢方薬選択法Ver.2. 関節外科, 44, 2025.
※8:益子竜弥. 『骨粗鬆症治療の真実と7つの叡智®~超健康と長寿の秘訣~』. ぶらんとマガジン社, 2023.
※9:Deyo RA et al. What can the history and physical examination tell us about low back pain? JAMA 268, 1992.
※10:Waddell G et al. Occup Med, 51, 2001.
※11:Kent PM H et al. Man Ther, 13, 2008.
※12:篠崎哲也ほか. 肩こりの病態 アンケート調査より. 臨床整形外科, 42, 2007.
※13:竹内武昭ほか. ストレス自覚度ならびに社会生活指標が腰痛・関節痛・肩こりに及ぼす影響:都道府県別データの解析. 心身医学, 47, 2007.