骨粗鬆症の真実

整形外科専門医による骨粗鬆症に対する診断・治療アルゴリズム

エメラルド整形外科疼痛クリニックでは、整形外科専門医が骨粗鬆症に対し独自に作成した診断・治療アルゴリズムをもとに、内服製剤・注射製剤による薬物療法とともに、生活習慣の改善を指導しています。
なお、骨粗鬆症のための薬物療法生活習慣の改善について詳細に記載している専門書として、『骨粗鬆症治療の真実と7つの叡智®~超健康と長寿の秘訣~』をお勧めしています。

骨粗鬆症について

骨粗鬆症とは

 骨は毎日、破骨細胞により壊され(骨吸収)、そして骨芽細胞により作られ(骨形成)ています。
このバランスが崩れ、壊される方が優位になってしまった状態が骨粗鬆症です。

骨粗鬆症の定義

骨粗鬆症は、「骨強度の低下を特徴とし、骨折のリスクが増大しやすくなる骨格疾患」と定義されています。
つまり、骨密度が低下し骨質が劣化してしまった結果、骨強度が低下し、骨折しやすくなった状態ということです。

骨粗鬆症の原因~骨粗鬆症は生活習慣病~

骨粗鬆症には多くの原因があります。
具体的には、

・加齢
・ホルモンの低下
・喫煙
・薬剤
・適切でない食事
・運動不足
・日光浴不足
などです。

お気づきになった方が多いと思いますが、大部分は、生活習慣です。
つまり、実は、骨粗鬆症とは生活習慣病です!
そうであれば、骨粗鬆粗症の治療の「本筋」は生活習慣の改善であるということになります。

骨粗鬆症による骨折

骨粗鬆症になると骨が脆くなるため、骨折しやすくなります。
起きやすい骨折は、
・大腿骨近位部骨折(大腿骨頚部骨折・大腿骨転子部骨折)
脊椎の椎体骨折
橈骨遠位端骨折
上腕骨近位端骨折
などです。

骨粗鬆症は予防が大切

骨粗鬆症は予防が大切です。
骨量は若年期に最大になり、その後次第に減少するため、骨量を減らしすぎないように、
・適切な食事
・適切な運動
・適切な日光浴

を継続することがとても大切です。
なお、これらについては拙著『骨粗鬆症治療の真実と7つの叡智®~超健康と長寿の秘訣~』に詳しく記載しています。

なお、たばこを避け、飲酒もある程度制限することも大切です。

日本の骨粗鬆症治療の現状

現在、日本では1420万人が骨粗鬆症と推定されています。
そのうち、わずか4.16%しか治療を受けていません。
なお、2040年代まで、骨粗鬆症の人数は増加し続ける予想となっています。

日本の骨粗鬆症治療の現状

* Yoshimura N et al. Int J Epidemiol. 2010; Yoshimura N et al. J Bone Miner Metab. 2009.
⁑ 太田博明ほか 医師・メディカルスタッフのための図表で学べる骨粗鬆症 悩む前にこの1冊!2022.
⁂ 厚生労働省.平成29年患者調査

骨粗鬆症の検診をお勧めします

このような理由から、エメラルド整形外科疼痛クリニックは、骨粗鬆症の検診である『骨の健康チェック』をお勧めしています。

骨粗鬆症の治療をする目的と、骨粗鬆症の予防や治療をする3つの理由

骨粗鬆症の治療をする目的は、
・骨を強くすることで、転倒などで外力が掛かった場合に、骨折する危険性を減らすこと
です。

別な言い方をすると、
・既に骨粗鬆症により骨折してしまった方は、さらなる骨折を予防するため
・まだ骨粗鬆症による骨折を起こしていない方は、今後の骨折を予防するため

です。

骨粗鬆症の治療を勧めることには、3つの理由があります。
1. 骨折連鎖(くりかえし骨折)を防ぐため
2. 活動性が低下し、悪循環に陥るため
3. 骨粗鬆症による骨折は、生命の危険があるため

です。

1. 骨折連鎖を防ぐため

骨折連鎖とは、いったん骨粗鬆症による骨折が起きた後に、2回目の骨折が起きやすくなることを言います。
具体的には、閉経女性の場合、1年以内の骨折の相対リスクは5.3にもなってしまいます。
さらには、全期間、つまりその後の人生全体における骨折の相対リスクは2.1倍になってしまいます。

骨粗鬆症による骨折連鎖

TACM van Geel et al. Ann Rheum Dis. 2009.

脊椎が1か所骨折してしまうと脊椎が2か所が骨折する確率は2~3倍になり、脊椎が2か所骨折すると3か所が骨折する確率は7~10倍になります。

太田博明. 骨は若返る! 骨粗しょう症は防げる!治る! 2016.

脊椎骨折が起きてしまうと、大腿骨近位部骨折の相対リスクは7.1倍になります。

O Johnell et al. Osteoporos Int. 2004.

このように、一度骨折が起きてしまうと、再び骨折が起きてしまう確率は上がり、その結果、さらに骨折の危険性が高まるという悪循環に陥ってしまいます。
この悪循環から脱出するために、骨粗鬆症を予防して骨折を起こさないことや、骨粗鬆症になってしまった場合には骨粗鬆症の治療を受けることが望ましいといえます。

2. 活動性が低下し、悪循環に陥るため

大腿骨近位部骨折が起きてしまった場合、退院後2か月で元通りに歩ける方、わずか約40%です。

J Magaziner et al. J Gerontol. 1990.

また、大腿骨近位部骨折が起きてしまった場合、約60%の方が1人で歩けなくなってしまいます。

太田博明. 骨は若返る! 骨粗しょう症は防げる!治る! 2016.

さらに、骨折が起きてしまうと、
⇒歩行障害が生じるとともに、再度の骨折への不安感が起きる
⇒不活動や閉じこもりになる
⇒社会から隔絶された状態となる
⇒一層、活動性が低下する
という悪循環に陥ってしまい、最終的には、寝たきりになってしまいます。

この悪循環から脱出するために、骨粗鬆症を予防して骨折を起こさないことや、骨粗鬆症になってしまった場合には骨粗鬆症の治療を受けることが望ましいといえます。

3. 骨粗鬆症による骨折は、生命の危険があるため

実は、骨粗鬆症による骨折は非常に危険です。
具体的には、大腿骨近位部骨折の場合、約20%の人が骨折後1年以内に死亡してしまいます。

太田博明. 骨は若返る! 骨粗しょう症は防げる!治る! 2016.

また、胸椎圧迫骨折・腰椎圧迫骨折の5年生存率は約60%であり、大腿骨近位部骨折の5年生存率は約50%しかありません。

C Cooper et al. Am J Epidemiol. 1993.

これは、胃癌の5年生存率の67.6%大腸癌の5年生存率の70.0%よりも悪い数字です。

がんの統計2021, 公益財団法人 がん研究振興財団.

骨粗鬆症は胃がんや大腸がんよりも危険

つまり、骨粗鬆症による骨折は胃癌や大腸癌よりも生命の危険があるということです。
そのため、骨粗鬆症を予防して骨折を起こさないことや、骨粗鬆症になってしまった場合には骨粗鬆症の治療を受けることが望ましいといえます。

骨粗鬆症の診断

骨の強さ(骨強度)

骨の強さ(骨強度)は、骨密度が70%、骨質が30%影響すると考えられています。
このうち、骨密度は骨密度測定器で測定が可能ですが、骨質は測定できません。

骨密度検査

骨粗鬆症の診断には、骨密度検査が必須です。
具体的には、腰椎と大腿骨(頚部と全体の2か所がより望ましい)、合計3か所の測定が最も推奨されています。
さらに、3か所(あるいは2か所)の%YAM値(若年成人の平均値を100としたときの割合)のうち、最も低い値を採用します。

なお、橈骨や中手骨の骨密度検査や、踵での超音波検査は基本的には推奨されていません。

骨粗鬆症の診断基準

骨粗鬆症は、ガイドラインにより診断基準が厳密に決められています。
具体的には、
・脊椎の椎体や大腿骨近位部に脆弱性骨折が発症
・骨密度の%YAMが70%未満

・骨密度が%YAMが80%未満で、脊椎の椎体や大腿骨近位部以外の部位に脆弱性骨折が発症
のいずれかを満たす場合に、骨粗鬆症と診断します。

なお、脆弱性骨折とは、立った姿勢からの転落か、それ以下の外力による骨折のことです。

骨密度測定器

骨密度測定器

本当の骨粗鬆症の治療法とは

生活習慣病である骨粗鬆症の治療は、生活習慣の改善が最重要のはず

前述のように、骨粗鬆症は生活習慣病です。
そのため、骨粗鬆症の治療の本筋は生活習慣病の改善となるはずです。

生活習慣の改善と言えば、糖尿病や高血圧には薬だけではなく食事が運動が重要であることは周知の事実であり、実際、これらの疾患に対する生活習慣の指導は保険算定できます。

医療機関での骨粗鬆症の治療は、内服製剤や注射製剤の薬物療法のみ

しかし残念ながら、多くの医療機関で行われている骨粗鬆症の治療は、内服製剤や注射製剤による薬物療法のみです。
骨粗鬆症の研究を行っている大学病院などの研究施設や、骨粗鬆症が専門であると自認している医師であっても基本的には同様で、薬佛治療のみが行われ食事や運動に対する指導はほぼ行われていません。

骨粗鬆症のガイドラインでも、薬物療法に対する記載が約40ページであるのに対し、食事は2ページ、運動についても2ページしか記載がなく、薬物療法との扱いの違いは歴然です。

骨粗鬆症の治療は、これで十分と言えるのでしょうか?

骨粗鬆症の治療ピラミッド

エメラルド整形外科疼痛クリニックは、骨粗鬆症の治療は、薬物治療に加え、食事・運動、そして日光浴の3つの生活習慣の改善が必要であると考えています。
そして優先順位は、高い順から日光浴⇒運動⇒食事⇒薬と考えています。
これがエメラルド整形外科疼痛クリニックが提唱する『骨粗鬆症の治療ピラミッド』です。

エメラルド整形外科疼痛クリニックが提案する骨粗鬆症治療ピラミッド:薬と日光浴と食事と運動

『骨粗鬆症の治療ピラミッド』

そのため、クリニックでは骨粗鬆症の治療の際には、
患者様の状態に応じた骨粗鬆症の治療薬の選択をするとともに、
『骨粗鬆症打開プロジェクト』の冊子を渡し、骨粗鬆症の概要と、日光浴・食事・運動などの生活習慣の改善を勧め、
生活習慣の改善が強く推奨される患者様に対しては、拙著『骨粗鬆症治療の真実と7つの叡智®~超健康と長寿の秘訣~』を読み、内容を実践することが望ましいこと
を説明しています。

また、外来の患者だけでなく日本全国の骨粗鬆症に悩んでいる多くの方のために、拙著『骨粗鬆症治療の真実と7つの叡智®~超健康と長寿の秘訣~』を出版し、啓蒙活動をしています。

書籍『骨粗鬆症治療の真実と7つの叡智®~超健康と長寿の秘訣~』

骨粗鬆症の治療:薬物治療

骨粗鬆症の治療薬

骨粗鬆症の治療薬には約10種類ありますが、そのうちの6種類についてご紹介します。
なお、内服製剤注射製剤があります。

1. ビスホスホネート:製品名 ボナロン®、フォサマック®など
破骨細胞の活性を抑制し骨の吸収を抑える薬です。
これまでは主力の薬剤でしたが、最近は、副甲状腺ホルモンや抗RANKLモノクローナル抗体を使用することが増えています。
歯を治療されているときには顎骨壊死が起ることがあり、注意が必要です。
内服製剤注射製剤があります。

2.活性型ビタミンD3製剤:製品名 エディロール®など
腸からのカルシウム吸収を促進するとともに、骨代謝を改善することにより骨を強くする薬剤です。
基本的に内服製剤です。

3.SERM:製品名 エビスタ®、ビビアント®など
エストロゲン作動活性により骨粗鬆症を改善します。
内服製剤です。

4.副甲状腺ホルモン(テリパラチド):製品名 フォルテオ®、テリボン®など
骨形成を強力に促進する薬です。
健康保険では、「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」にのみ使用可能です。
注射製剤のみです。

5.抗RANKLモノクローナル抗体(デノスマブ):製品名 プラリア® 
破骨細胞の活性を抑制し骨の吸収を抑える薬です。
6か月に1回、皮下注射で投与します。
低カルシウム血症となる可能性があるため、デノタスチュアブル®というカルシウム・ビタミンD3製剤も内服します。
注射製剤のみです。

6. ヒト化抗スクレロスチンモノクローナル抗体製剤(ロモソズマブ):製品名 イベニティ®
骨芽細胞作用し、骨気質産生を促進することで、骨形成を促進する作用があります。
さらに、骨吸収を抑制する作用もあります。1か月に1回、皮下注射で投与し、12か月継続します。
健康保険では、「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」にのみ使用可能です。
過去1年以内に虚血性心疾患や脳血管障害が発症した患者様には使用できません。
注射製剤のみです。

クリニックの治療方針:整形外科専門医が治療

エメラルド整形外科疼痛クリニックでは、整形外科専門医である院長が骨粗鬆症の治療ガイドラインや、最新医学情報に則った治療を行っています。
具体的には、
1. 骨密度がかなり低下(YAM値が60%未満)している「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」の場合には、副甲状腺ホルモンであるテリパラチド
2. 骨密度がそれほど低下していない(YAM値が60%以上)場合で、血清カルシウム値が正常範囲の方は、抗RANKLモノクローナル抗体であるデノスマブ
3. 骨密度がそれほど低下していない(YAM値が60%以上)場合で、血清カルシウム値が低値の方は、活性型ビタミンD3製剤であるエルデカルシトール
4. 骨粗鬆症治療前の検査で、ビタミンDが不足・欠乏している場合には、活性型ビタミンD3製剤(エルデカルシトール)を併用
5. 上記の治療を行っても骨密度が上昇しない、あるいは、脆弱性骨折が発症した場合には、最新の治療薬であるヒト化抗スクレロスチンモノクローナル抗体製剤であるロモソズマブを考慮する
という治療方針です。

詳しくは、拙著『骨粗鬆症治療の真実と7つの叡智®~超健康と長寿の秘訣~』に詳しく記載しておりますので、ご興味がある方は、ご覧ください。
なお、腎機能が低下している方や、内科疾患がある方は、状況に応じて薬を変更しています。

クリニックの治療薬の使用実績:専門的な治療の結果、傑出して多い薬剤数

上記のクリニックの治療方針では、もっとも多くの患者様に望ましい治療薬は、抗RANKLモノクローナル抗体であるデノスマブです。
また、デノスマブやテリパラチドによる治療を行ったにもかかわらず、骨密度の改善が思わしくない、あるいは脆弱性骨折を発症してしまった場合には、ヒト化抗スクレロスチンモノクローナル抗体製剤であるロモソズマブが望ましいと言えます。

エメラルド整形外科疼痛クリニックの開院以来の、デノスマブとロモソズマブの使用実績を下の表でご報告します。
整形外科の一クリニックとしては、デノスマブとロモソズマブの両方とも傑出して多い数値であり、クリニックが積極的かつ専門的に骨粗鬆症の治療をしていることが示されています。

2023年度のエメラルド整形外科疼痛クリニックでの骨粗鬆症用の注射剤薬の状況

骨粗鬆症の治療:生活習慣の改善

骨粗鬆は生活習慣病です。
そのため、薬物療法も大切ですが、日常生活の改善も非常に重要です。
日常生活の改善で大切なことは、日光浴・運動・食事です。
しかし、残念なことに、日本の多くの方が知っている日光浴・運動・食事についての情報は、実は間違っています。
そのため、院長は、拙著『骨粗鬆症治療の真実と7つの叡智®~超健康と長寿の秘訣~』を執筆し、多くの方に、適切な日光浴・適切な運動・適切な食事について啓蒙しています。

適切な日光浴

ビタミンDは骨にとっては非常に重要なビタミンで、
・小腸からのカルシウムやリンの吸収を調節
・尿や便へのカルシウム排泄を調節
・骨へのカルシウム貯蔵量をコントロール
しています。

そしてここからが重要です。
ビタミンDは食事から摂取できますが、実は、人間は、体内でビタミンDを生成できます。
さらに、ビタミンDの80%以上が体内で生成され、食事による摂取は20%以下です。
ビタミンDは日光浴によりすべて充足できるという報告もあります。

Holick MF et al. Modern Nutrition in Health and Disease 9th ed. 1999.

そもそもビタミンDがなければ強い骨は作れないため、ビタミンD不足は非常に大きな問題となるため、適切な日光浴をすることは、骨粗鬆症の治療にとって最も重要な要素の1つとなります。

適切な日光浴の目安については、拙著『骨粗鬆症治療の真実と7つの叡智®~超健康と長寿の秘訣~』をご覧ください。

適切な運動

骨粗鬆症の治療にとって、運動はとても大切です。
しかし、
・少ない運動は、あまり効果はない
・過度の運動は、害になる

となるため、適切な運動を行うことが重要になります。

運動には、散歩やジョギングなどの 有酸素運度と、筋力トレーニングなどの無酸素運動がありますが、ここでは、2つの適切な運動の基準をご紹介します。

世界保健機構(WHO)の指標

世界保健機構(WHO)は望ましい運動の指標を発表しています。
この指標は、5~17歳、18~64歳、65歳以上の3群について記載されています。

☆18~64歳
・週あたり150分の中強度の有酸素運動か、週あたり75分の高強度の有酸素活動、または同等の中~高強度の運動を組み合わせる
・有酸素性運動は、少なくとも10分以上続ける
・週2日以上、筋力トレーニングをする

☆65歳以上
・週あたり150分の中強度の有酸素運動か、週あたり75分の高強度の有酸素活動、または同等の中~高強度の運動を組み合わせる
・有酸素性運動は、少なくとも10分以上続ける
・週2日以上、筋力トレーニングをする
(『Global recommendations on physical activity for health』WHO(World Health Organization), 2010.)

何かお気づきのことはありますでしょうか?
そう、18~64歳と65歳以上が、同じ内容となっています。
もちろんこれは、大きな病気に罹患していない方の話ですので、持病をお持ちの方は担当主治医にご確認ください。

『7つの叡智®』がお勧めする適切な運動の詳細

『7つの叡智®』では、適切な運動について、
①運動経験のあまりない人
②運動経験のある人
③高齢者(60歳以上)
の3群に分けて解説しています。
具体的な内容については、拙著『骨粗鬆症治療の真実と7つの叡智®~超健康と長寿の秘訣~』をご覧ください。

適切な食事

食事についてほど、玉石混淆の情報で溢れるいる領域はありません。
また食事ほど、ある情報とまたある情報で、内容が真逆になる領域はありません。

しかし、骨粗鬆症の治療・予防にとって適切な食事については既に世界的に判明しています。
そしてそれは、日本の常識とは真逆です。

牛乳は骨を脆くする

日本の多くの方は、牛乳は骨粗鬆症に良く骨を丈夫にすると考えています。
しかし、残念ながらこれは完全に誤りです。
既に1990年代に牛乳が骨折を予防することはなく、むしろ骨折のリスクが高まることが報告されています。
しかし、残念ながら日本ではそれらの報告は無視され、いまだに牛乳は骨粗鬆症に良いと誤解されていることが実情です。

報告の1つをご紹介します。
米国ハーバード大学からの報告です。 
・女性では、毎日2杯以上の牛乳を摂取することは、大腿骨近位部骨折と橈骨遠位端骨折のリスクを上昇させる。
 (Feskanich D, Willett WC, Stampfer MJ, Golditz GA. Milk, dietary calcium and bone fractures in women: a 12-year prospective study. American Journal of Public Health 87: 992-997, 1997.)

動物性タンパク質は、大腿骨近位部骨折の発症を増やす

牛乳と同様に、動物性タンパク質も骨を脆くします。
同様に1990年代に動物性タンパク質(と動物由来のカルシウム)の摂取量が多いことは大腿骨近位部骨折のリスクを高めることが報告されています。
しかし同様に、これらの報告は無視されていることが現状です。

報告の1つをご紹介します。 
・16か国の50歳以上の女性を対象とした研究では、動物性タンパク質や動物由来のカルシウム摂取量が多い国ほど、骨粗鬆症による股関節周囲の骨折(大腿骨近位部骨折)が多い。

(Abelow BJ, Holford TR, Insogna KL. Cross-cultural association between dietary animal protein and hip fracture: a hypothesis. Calcified Tissue International 50:14-18, 1992.)

『7つの叡智®』がお勧めする適切な食事の詳細

前述のように、骨粗鬆症の治療・予防にとって適切な食事は既に判明し、世界的に公開されています。
しかし残念なことに、日本に住んでいる方の多くの方は知らないことが現状です。

そのため、院長は、古来より脈々と受け継がれている知識体系から最新の情報まで、洋の東西を問わず、多くの情報を入手・精査したうえで、信頼性の極めて高い情報のみ選定し、『7つの叡智®~超健康と長寿の秘訣~』として7つの項目に体系化し、適切な食事については、「4. 東西栄養学の粋」として発表しています。
さらに、拙著『骨粗鬆症治療の真実と7つの叡智®~超健康と長寿の秘訣~』の中でも、適切な食事のエッセンスの部分を紹介しています。

ぜひ、第1歩を踏み出してください!

ここまでの内容は、いかがでしたでしょうか。
おそらく、「今まで聞いていた話と真逆」、「目から鱗が落ちた」という方が大半だと思います。
しかし、ここまで説明してきた内容は、既に世界で公開され、正当性が認識されている内容ばかりです。

そして大切なことは、ここからです。
知識を得た後の次のステップが大切です。
骨粗鬆症に限らないことですが、多くの方は知識を得た後に行動を起こしません。
ですから、必然的に何も改善しません。

ぜひ、第1歩を踏み出してください!


『骨の健康チェック』

エメラルド整形外科疼痛クリニックでは、骨粗鬆症の検診である『骨の健康チェック』をお勧めしています。

『骨粗鬆症打開プロジェクト』

エメラルド整形外科疼痛クリニックでは、『骨粗鬆症打開プロジェクト』を行っています。

お悩み相談室:「骨粗鬆症って、治療しなければならないの?」

エメラルド整形外科疼痛クリニックでは、皆さんから良く聞かれる悩みに返答するために、「お悩み相談室」をホームページ上に開設しています。
その中に「骨粗鬆症って、治療しなければならないの?」というタイトルで、骨粗鬆症の詳細を発信していますので、ご興味がある方は、ご覧ください。


エメラルド整形外科疼痛クリニック

札幌市北区で麻生駅に近接し、痛みに対して積極的に治療を施行(電話:011-738-0011)
・治療方針:「両極の治療」
・治療方針の解説:全国初の試みである『モデル症例報告』を通じて、わかりやすく詳細に解説
・特徴:多彩な独自の治療法漢方薬バイオフィードバックなど)
・リハビリテーション:理学療法士は担当制で、2単位40分で実施
骨粗鬆症『骨粗鬆症打開プロジェクト』を展開するなど、積極的に治療
・院長の書籍:『骨粗鬆症治療の真実と7つの叡智®~超健康と長寿の秘訣~』

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