骨粗鬆症の治療を勧める4つの理由

骨粗鬆症の治療を勧める理由①:これから起きる骨折の危険性を減らすことができる

骨粗鬆症は骨が脆くなってしまう疾患のため、ちょっとしたことで骨折しやすくなります。
具体的には、
・ちょっと尻餅をついただけで、腰椎・仙骨、尾骨が折れた
・軽く荷物を持っただけで、胸椎や腰椎が折れた
・転んで手をついたら、橈骨が折れた
・転んで手をついたら、上腕骨が折れた
・転んだら、大腿骨近位部骨折(大腿骨頚部骨折や大腿骨転子部骨折)になった
・けがはしていないけれど、背中が丸くなってきた(胸椎や腰椎の「いつのまにか骨折」)
などです。

もし、骨粗鬆症の治療をしていたら、尻餅、荷物を持った時、転んだ時に骨折が起きなかったかもしれません。
骨粗鬆症の治療をすることにより、これから起きる骨折の危険性を減らすことができます。
これが、骨粗鬆症の治療を勧める1つ目の理由です。

骨粗鬆症の治療を勧める理由②:「骨折連鎖」や「くりかえし骨折」を減らすことができる

骨粗鬆症になってしまうと、次々に骨折が起きてしまいます。
これを、「骨折連鎖」や「くりかえし骨折」といいます。
具体的には、閉経した女性が1か所骨折してしまうと、1年以内に再び骨折が起こる相対リスクは通常の5.3倍になってしまいます。
さらに、2~5年後では2.8倍、6~10年後では1.4倍、全追跡期間における平均は2.1倍と、長期間にわたって骨折リスクが高い状態が続いてしまいます。

骨粗鬆症の治療をすることにより、「骨折連鎖」や「くりかえし骨折」をゼロにすることはできなくても、減らすことはできます。
これが、骨粗鬆症の治療を勧める2つ目の理由です。

骨粗鬆症の治療を勧める理由③:寝たきりへの悪循環を防ぐ最も良い対策は、そもそも骨折起こさないこと

骨粗鬆症になり骨折が起きてしまうと、再度の骨折への不安感から、不活動や閉じこもりなど社会から隔絶された状態となり、そのことが一層活動性を低下させ、さらに状態が悪くなり、結果的に寝たきりになるという、悪循環に陥ってしまう可能性があります。
具体的には、大腿骨近位部骨折の場合、退院後2か月で元通りに歩けるようになるのは約40%で、約60%の人が1人で歩けなくなります。

この寝たきりへの悪循環を立ち切ることは容易ではありません。
そのため、そもそも骨折を起こさないことが、最も良い対策となります。
これが、骨粗鬆症の治療を勧める3つ目の理由です。

骨粗鬆症の治療を勧める理由④:命に影響を及ぼす骨折に対する最も良い対策は、そもそも骨折起こさないこと

骨粗鬆症になると、胸椎骨折や腰椎骨折、大腿骨近位部骨折(大腿骨頚部骨折と大腿骨転子部骨折)を起こすことがありますが、これらの骨折は命に影響します。
具体的には、大腿骨近位部骨折の場合、約20%の人が骨折後1年以内に亡くなります。
胸椎や腰椎の骨折の5年生存率は約60%、大腿骨近位部骨折の場合は5年生存率はさらに悪く約50%です。
2021年に国立がん研究センターがまとめた報告では、5年(実測)生存率は、胃癌で67.6%、大腸がんで70.0%であるため、骨粗鬆症による胸椎や腰椎の骨折や大腿骨近位部骨折は胃癌や大腸がんよりも危険といえます。

胸椎骨折や腰椎骨折、大腿骨近位部骨折はいったん起きてしまうと、このように命に影響を及ぼしてしまうため、最も良い対策は、そもそも骨折を起こさないこと、となります。
これが、骨粗鬆症の治療を勧める4つ目の理由です。


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・骨粗鬆症を治療する理由
・骨粗鬆症の最新治療の内容
・骨粗鬆症の本当の原因:牛乳や動物性タンパク質の取りすぎ、日光浴不足
・カルシウム神話の誤り:カルシウムを多く摂取しても骨折する
・骨粗鬆症のに対する適切な食事
・骨粗鬆症に対する適切な運動
・健康になるための心拍数などを基準にした運動基準
などについて記載していますので、骨粗鬆症の方にも、骨粗鬆症でない方にも大いに参考になる書籍と自負しています。