関節リウマチについて

関節リウマチって何?

関節リウマチは、多くの方が名前は聞いたことがあると思います。
関節リウマチは、文字通り関節が主体の病気です。
原因は諸説がありますが、現時点では不明です。
関節リウマチに対しては、以前は「軽めの薬から開始し、病状に合わせて強い薬を使っていく」という治療方針でしたが、現在は、「最初からしっかりした薬を使って、進行させない」という治療方針に変わり、治療結果はかなり良くなっています。

関節リウマチの診断基準

関節リウマチの診断基準は、1987年に米国リウマチ学会による作成されました。
しかし、この基準では早期の関節リウマチの診断ができないという欠点がありました。
そのため、2010年に米国リウマチ学会と欧州リウマチ学会が新しい診断基準を作成し、現在はこちらが主に使用されています。

この診断には、診察所見(関節の腫脹・発赤)と採血結果(リウマトイド因子、抗CCP抗体、CRP、赤沈)を使用します。
分類基準を下に掲載します。
合計点数が6点以上の場合には関節リウマチと診断し、治療を開始することになっています。しかし、関節リウマチ以外の場合でも6点を超えることがあるので、ほかの疾患を念頭にしながら診断することが重要です。

関節リウマチに対して2010年に米国リウマチ学会と欧州リウマチ学会が作成した新しい診断基準

(2010年、米国リウマチ学会と欧州リウマチ学会が作成)

関節リウマチの治療方針:薬

以前は、関節リウマチの治療は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が基本で、症状に応じて、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARDs)やステロイドを使用するという治療方針でした。
しかし最近では、初期からメトトレキサート(MTX)を開始し、効果が不十分な場合には、生物学的製剤あるいはJAK阻害薬を使用し、それでも効果が不十分な場合には、生物学的製剤あるいはJAK阻害薬を変更するという治療方針に変更されています。

関節リウマチの治療方針:手術

以前の関節リウマチの治療成績はあまり良くなかったため関節が変形・破壊する頻度が高く、薬ではコントロールできない関節リウマチに対して手術が行われていました。
現在は関節リウマチの治療方針が変更され、治療効果が良くなったため、手術が必要なことはかなり少なくなりました。

しかし、現在の治療方針でも関節リウマチの活動性のコントロールが困難な場合があり、そのような場合には手術が施行されています。
具体的には、関節の変形、破壊が著しい際には、人工関節置換術が行われます。
人工関節置換術が可能な関節は、手指、手関節、肘関節、肩関節、股関節、膝関節、足関節です。

そのほか、ごく少数の罹患関節の活動性のみが高い場合には、滑膜切除術と言って、活動性が高い部位の滑膜を切除することにより、関節リウマチのコントロールがスムーズになる可能性がありますので、そのような場合にも手術を考慮します。
このほか、関節リウマチに起因するボタンホール変形や、腱断裂などに対し手術を行うことがありますが、前述のように頻度はかなり減少しています。


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